「アウトガス」というワードを聞いたことがありますか?

 

聞いたことはあるけれど、実際何のことなのかわからない…

どんな現象かはわかるけれど、どう対策していいかわからない…

今さら言えないし、ドキッとした方もいらっしゃるのではないでしょうか!?

 

インクジェットメディアやマーキングフィルムの説明で

「アクリル・ポリカーボネートなど、アウトガスを発生する下地には貼らないでください。」

という表記を見かけますよね。

 

これはアウトガスが関係しています!

 

サイン・ディスプレイ業界では必ず耳にするであろう

「アウトガス」について深堀りしていきます!!

 

 

 

 

アウトガスとは

 

サイン製作や装飾において

アクリル、ポリカーボネート、PET、塩ビなどの樹脂板の上に

シート貼りをする機会は多いかと思います。

 

樹脂板に直接インクジェットメディアやマーキングフィルムを貼ると、

下地との間にガスが発生し浮きや剥がれが出ることがあります。

これを「アウトガス」といいます。

 

「アウトガス」とは一部の樹脂板から出るガスを指します。

 

 

アウトガスが発生する原因

 

では、樹脂板からガスが出る、とはどういうことなのでしょうか?

 

アクリル、ポリカーボネート、PET、塩ビなどの

樹脂板の成型の前工程では水分を飛ばすべく行う乾燥工程があります。

 

その乾燥が何らかの理由で不十分となり、板の中に水分が残ってしまうことがあります。

残った水分が時間の経過と共に乾燥する際にガスとなって放出されます。

 

そのガスが樹脂板とフィルムに溜まって抜けない状態になると

膨れや浮きが出てきてしまいます。

蒸発した水分が抜けきれずに留まっているイメージです。

 

 

※すべての樹脂板で起こるわけではございません。

 

※板の厚みや成型後の経過時間にも関わります。

比較的成型後間もない新しい樹脂板、

厚みは2mm以上の厚いものの方がアウトガスが出やすいと言われています。

 

 

アウトガスの影響を受けるNGな組み合わせ

 

樹脂板に貼るフィルムの素材、組み合わせは要注意です!

 

塩ビ素材のフィルムを貼る場合

 

塩ビは空気を逃がすことが出来るので、

仮にアウトガスが発生しても樹脂板とフィルムの間に

ガスが溜まることはほとんどありません。

 

 

PET素材のフィルムを貼る場合

 

特に多いのがミラーやヘアライン、ホログラムなどのフィルム。

共通しているのは「アルミ蒸着」*処理をしている事です。

 

*アルミ蒸着とは

アルミニウムを高真空状態で抵抗加熱や高周波加熱などによって加熱蒸発させ、

その蒸気をフィルムの表面に付着させてフィルムにアルミの薄い膜を付けたものです。

アルミ蒸着フィルムはガスバリア性・防湿性・保香性に非常に優れており、

密閉性や乾燥状態を保ち、紫外線や赤外線の遮断効果もあります。

 

 

デコマで販売しているアルミ蒸着フィルムの例ですと、

 

◆メタリック・ホログラムシート KMシート

 

◆中川ケミカル カッティングシート メタリックシリーズ

 

などがあります。

 

この「アルミ蒸着」がPETフィルムの通気性を失くしてしまいます。

空気を逃がすことが出来ないため、

アウトガスが発生すると樹脂板とフィルムの間にガスが溜まって気泡が発生し、

せっかく作った製作物をダメにしてしまいます。

 

 

アルミ蒸着していないPETフィルムでも、

塩ビフィルムと比べるとガスが抜けにくいので

アウトガスの影響を受けやすくなりますので要注意です!

 

樹脂板に含まれた水分が乾燥するまでには、ある程度の時間が必要です。

フィルムを貼ったときには問題がなくても、

納品後など時間が経ってからガスが発生するパターンが多いので厄介です。

 

これではクレームの原因にもなってしまいますし、

再製作するにもコストや時間もかかってしまいます。

 

 

アウトガスの対策方法

 

樹脂板にPET素材のフィルムが貼れないなんて…

製作の幅が狭くなってしまうではないか!!

と思った方に朗報です。

 

アウトガス対策できるベースフィルムがあります!

 

中川ケミカル アウトガス対策ベースフィルム G-401

1320mm×30M ※1Mごとの切り売り可

 

 

今までアウトガスを気にして貼れなかった

樹脂板(ポリカーボネート、アクリル、塩ビなど)に

貼ることができる下地用のベースフィルムです。

 

 

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透明性の高い無色透明の PET 基材。

樹脂板本来の透明感や透過性を損なわずに装飾できるのがポイントです!

 

樹脂板にアウトガス対策ベースフィルムを貼り(下貼り)、

その上にPET素材などのフィルムを貼ることで対策できます。

 

例えば、加工が出来なかったポリカーボネート板に

塩ビフィルムやメタリックフィルムでの装飾したり、

アクリル板を使用した造作物にメタリックフィルムの装飾などが可能になります。

 

 

こちらの2種類のフィルム、素材はPETです。

 

いやいや…!

さっき樹脂板にPET素材のフィルムを貼ると

アウトガスの影響を受けるって説明していたばかりじゃない…

 

樹脂板と従来貼ることが出来なかったPETフィルムの間をつなぐ

アウトガス対策ベースフィルムの「糊」にカギがあります!

 

実はこのフィルム、通常のフィルムよりも固い糊を使用しており

アウトガスを抑え込む役割があるのです!

粘着力が非常に強いため一度貼ると剥離できないので、施工時には注意が必要です。

 

 

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ただし!!

 

対策をしても使用場所などの条件次第で

結果が変わる場合がございますので、注意が必要です。

 

中川ケミカル アウトガス対策ベースフィルム G-401

 

使用場所が【屋外】の場合、

日光に当たってフィルム表面やフィルムの糊が温められると

基材も糊も柔らかくなり、効果が弱まってしまう可能性があります。

 

ベースフィルムを貼ってもアウトガスの影響を受ける場合もございますので

予めご了承ください。

 

 

最後に

 

アウトガスの恐ろしさと対策方法について書かせていただきました。

樹脂板とPETフィルムを貼り合わせる製作をする際には

「アウトガス対策ベースフィルム」をご使用ください!

 

 

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